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流鏑馬競技連盟 規約 前文
流鏑馬は、およそ千年前に当時の戦さ(いくさ)の主体である騎射(うまゆみ)の技を磨くために作り上げられた競技が起源とされ、疾駆する馬上から連続して矢を射る技を基本としている。 その後、流鏑馬は奉納神事が主となり、各地にそれぞれの形態で伝わり現在に至っている。 また、およそ三百年前に尚武を標榜した徳川吉宗の時代には、武術としていくつかの流派が隆盛し、現在これらの流派も神事としての流鏑馬を行っている。
流鏑馬競技連盟は、「疾駆する馬上から連続して矢を射る」という騎射(うまゆみ)流鏑馬の原点に戻り、千年にわたる我が国の伝統を継承するとともに、「技を競い合う」という競技の面を、競技規定を明確にして発展させようとする団体である。 また、正しく日本の伝統を継承していくために、我が国固有の和弓と和鞍・和鐙など諸道具を用いることを旨としている。
一方、これらの諸道具や技術は、我が国の在来馬(以下和種馬とするものも同意味)とともに発展してきたことを忘れるべきではない。 日本の在来馬はユーラシア中央部から東アジアの騎馬民族の馬と体型が類似するが、同時に和種馬特有の運動機能を持つ。 和鞍・和鐙、和弓などが持つ独特の形態も、こうした和種馬の体型や運動特性を最大に活かすために発達してきたものである。 我が国が誇るべき伝統文化である流鏑馬を、諸道具とその使用方法とともに正しく継承、発展させ、競技としての技術を一層発展させるためには和種馬を使用することが必須である。
我が国の在来馬は8品種あるが、現在その数を減少させつつある。 家畜種はそれぞれの地域の自然と文化が生み出したものであり、在来種は世界中でそこに住む人々の誇りの源の一つになっている。 同時に、一旦、絶えた種や品種は二度と戻らない。
流鏑馬競技連盟では、「流鏑馬」という日本伝統の騎射の技の継承と発展を目的とし、それを達成するため不可欠な和種馬の存続とその一層の活用を図るものである。